よくあるトラブルと添加剤の選択
成形加工時や、製造の過程においてよくあるトラブルと、その対処方法をご紹介いたします。
添加剤を選択する際にお役立てください。
よくあるお問い合わせ
- 成形加工時における
添加剤の影響 - 耐熱寿命の強化
- 耐候寿命の強化
- 変色
- 意匠性の低下
-
耐熱寿命の強化
Q4
金属や金属イオンと接触する用途での耐熱寿命の低下(金属の影響)を防ぐには?
A4
銅(Cu)や鉄(Fe)などの金属と接触する用途(例えば、銅線を使用したケーブルや金属を含む顔料など)では、劣化が促進される場合があります。
加工時や使用時の熱や光によって生成したヒドロペルオキシドが、金属イオンの触媒効果によって、レドックス反応(酸化還元反応)が起こります。その結果、ラジカルの生成が促進されて劣化が進行し、寿命が低下してしまいます。対処方法
- 1
- 重金属不活性化剤(アデカスタブCDA-1、CDA-10など)を使用し、金属イオンをキレート化することによって、劣化因子である金属イオンを捕捉し安定化を図る。代表的な製品としては、シュウ酸化合物、サリチル酸などのアミド化合物、ヒドラジド化合物が市販されている。 重金属不活性化剤
- 2
- 重金属不活性化剤自体は安定化効果がないため、熱安定性が必要な用途には、フェノール系(アデカスタブAO-60、AO-50、AO-80など)、チオエーテル系(アデカスタブAO-412S)、ホスファイト系(アデカスタブ2112,HP-10)などの酸化防止剤と併用する。また、耐候性が必要な用途には、紫外線吸収剤やヒンダードアミン系光安定剤(HALS)を併用する。
Q5
高温で使用した時の劣化促進(温度の影響)を防ぐには?
A5
高温で使用する場合、自動酸化反応が促進され劣化しやすくなります。
対処方法
- 1
- フェノール系酸化防止剤やホスファイト系酸化防止剤系だけでなく、チオエーテル系酸化防止剤(アデカスタブAO-412Sなど)を併用すると効果的。 AOシリーズ一覧
- 2
- チオエーテル系酸化防止剤は、臭気や安定化効果を示した後に酸性物質などが生成するため注意が必要。
- 3
- 高温では添加剤が揮散しやすくなるため、使用する環境に合った添加剤を分子量や相溶性などの点から選択する。