トップメッセージ
カーボンニュートラルの実現とサステナビリティを目指して
ADEKAグループでは、CSRの推進による経営基盤の強化を掲げ、気候変動や資源循環、サプライチェーンにおける人権尊重など社会的課題の解決に対応できる体制づくりを進めています。一方で、国内外の状況はめまぐるしく変化しており、サステナビリティを意識した企業経営の重要性は高まっています。リスクを回避・低減する施策を迅速に実行し、ビジネスの領域拡大にも繋げていかなければなりません。
気候変動問題への取り組みでは、カーボンニュートラル実現に向けたロードマップを策定し、2030年の温室効果ガス削減目標を2013年度比46%削減と致しました。あわせて、2022年2月にTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)に賛同表明し、気候変動が事業活動に及ぼす影響の分析・評価と、持続可能な社会の実現に貢献するための対応策を検討・推進しています。「2050年カーボンニュートラルの実現」に向けて、2022年4月に「サステナビリティ推進室」「カーボンニュートラル戦略企画室」を新設しました。新しい推進体制のもと、社会環境の変化に対応し、カーボンニュートラルの実現に向けた取り組みを加速し、サステナブル経営による企業価値向上を目指していきます。
新たな価値を創造する基盤強化
ADEKAグループは、安全で安定した事業活動を通じ「豊かなくらし」に貢献する製品や技術を創出すること、またサプライチェーン全体で個々の人権が尊重されること、そして社員一人ひとりが活躍することを目標として、多岐にわたる取り組みを進めています。2021年4月に「国連グローバル・コンパクト」に署名し、「人権」「労働」「環境」「腐敗防止」の4分野における10原則を踏まえた活動を進めています。
ADEKAグループでは、人事理念の一つとして「従業員の人間性と個性の尊重」を掲げています。多様性に重きを置き、社員一人ひとりの個性を大事にし、各々の考え方を尊重し、周囲とのコミュニケーションをしっかりととれる人財になることを期待しています。この理念に基づき多様な価値観や、経歴をもった人財を採用するとともに、全ての従業員がその個性と能力を最大限発揮し、グローバルに活躍できるよう、キャリアディベロップ研修をはじめとした各種育成施策を拡充し人的資本への投資を行っていきます。
多様な人財が活躍するためには、ワーク・ライフ・バランスを図り、各個人のニーズにあった柔軟な働き方を可能とする認識の共有化が必要です。互いの個性を受け入れ、尊重し合う環境の整備に向けて、2022年6月に「D&Iプロジェクトチーム」を新設しました。女性活躍推進を出発点に、すべての人たちが活躍できる企業となることを目指しダイバーシティ&インクルージョンを進めていきます。
一方、ADEKAグループが成長・発展を続けていくためには知的財産への投資も必要不可欠です。研究開発や生産技術のDXを加速させ、ADEKAグループが各事業分野においてこれまで培ってきたコア・コンピタンスな技術の融合による新規領域の創出を図ります。また、ADEKAグループの成長ドライバーとして、『ライフサイエンス』『環境』『エネルギー』『次世代ICT』領域への深耕のための技術提携や産学連携オープンイノベーションの活用も進めていきます。
企業価値向上に向けたコーポレート・ガバナンス強化
ADEKAグループは、コーポレート・ガバナンスの強化を経営の最重要課題として位置付けています。取締役会の監督機能・監督体制の更なる強化と、より一層のコーポレート・ガバナンスの充実のために、2021年6月に監査役会設置会社から監査等委員会設置会社に移行しました。
またADEKAグループは経営環境や事業特性に応じた取締役会メンバーの多様性の確保に努めています。ADEKAグループの経営戦略に照らして必要となる取締役の知見・経験等のスキル・マトリックスを定め、次期取締役候補者を指名する際のスキル・バランスの確認に活用し、株主の皆様への情報提供を致します。今後も、経営体制の改革とコーポレート・ガバナンスの更なる強化に積極的に取り組みます。
ステークホルダーの皆様へ
ADEKAグループの中心にあるもの、それは『素財』です。
私たちの製品・技術だけではMaterial(素材)に過ぎませんが、市場、そしてお客様のご要望に的確にお応え出来た時、私たちの製品・技術はTreasure(素財)になります。
私たちは、私たちを体現するコーポレートスローガンとして『Add Goodness』を選びました。すべてのものは今よりきっと良くすることができる。『よきものを足す』チカラが私たちの製品や技術にはある。そんな思いと誇りを『Add Goodness』は代弁しています。
ADEKAグループは1917年、東京 荒川の地に旭電化工業株式会社として誕生しました。当時、輸入に頼るしかなかった苛性ソーダが第一次世界大戦の影響で入手困難になり、一日でも早く苛性ソーダの国産化を実現させるために設立されたのです。以来、お客様からの信頼を糧に、技術の向上と価値創造を続けてまいりました。
現在ADEKAグループは、国内外54の関係会社が、16の国と地域に展開しています。海外売上高比率は50%を超え、事業によっては80%を超えています。事業領域も規模も拡大しましたが、私たちの基本姿勢は変わっていません。
お客様の課題、そして社会的課題をしっかりと把握し、私たちの素財を課題解決のためにご提案することが私たちの使命です。ステークホルダーの皆様の期待に応えるためにも、ADEKAグループは素財のチカラで人々の暮らしを豊かにし、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。