メニュー

樹脂添加剤の基礎知識

樹脂添加剤の種類と特徴~高分子用安定剤~

高分子用安定剤について

樹脂添加剤の分類

高分子用安定剤は、樹脂の成形加工時や使用時の劣化を抑制する目的で、それぞれの樹脂の劣化メカニズムに対応して使用されます。劣化メカニズムは含塩素樹脂(ポリ塩化ビニル)とそれ以外の樹脂とで大きく異なるため、それぞれに適した安定剤が使用されています(ポリ塩化ビニル用安定剤、一般高分子用安定剤)。

ラジカルを捕捉 塩素原子・塩化水素の捕捉

ポリプロピレン、ポリエチレン、ABS、エンプラなどに対しては、ほとんどのプラスチックで共通のものが使用されます。いずれのプラスチックの酸化劣化防止においても重要なのは、劣化の初期段階でラジカル反応を停止し、自動酸化を停止することです。そのためには劣化のスキームに関与する要因を、少なくとも一つ、望ましくは複数個、除去することが必要です。
多くの安定剤はプラスチックの劣化素反応のいずれかを抑制して安定化に貢献しており、自動酸化のどの過程で連鎖を抑えるかによって、ラジカル連鎖開始阻害剤、ラジカル捕捉剤、過酸化物分解剤に分けられます。
一方、ポリ塩化ビニルの劣化にはアリル位の塩素原子が大きくかかわっており、ポリ塩化ビニル用の安定剤はこの塩素原子および劣化過程で発生する塩化水素を捕捉するように設計されています。

高分子用安定剤「配合の考え方」

劣化反応は複雑で、劣化要因の一つだけの抑制では十分に安定化されません。複数の要因を同時に抑制することで、大きな安定化効果が得られます。
例えば、屋外使用のポリプロピレン製品の場合、成形加工時などの熱安定剤としてラジカル捕捉剤であるフェノール系酸化防止剤と過酸化物分解剤であるホスファイト系酸化防止剤を、使用時の耐候性の向上を目的に紫外線吸収剤とHALSを配合します。
このように多くの場合、プラスチックには数種類の安定剤が組み合わされて使用されます。組み合わせる安定剤の選定によって効果は大きく異なり、その配合技術がプラスチックの実用上極めて重要になってきます。

高分子添加剤ハンドブック

高分子添加剤ハンドブック

★ 高分子添加剤の教科書誕生!
★ トップメーカー・ADEKAの協力の下,高分子添加剤の基礎知識から実用技術まで網羅!高分子材料を扱う技術者必携の1冊です!

  • 商品コード: B0928
  • 監修: (編著)春名徹
  • 発行日: 2010年11月

価格(税込): 3,024 円

CONTACT

ページトップへ