4つの安全
4つの安全とは、安全な企業活動を運営するために提唱した当社独自の概念で、労働安全、環境安全、品質安全、設備安全の4種類の安全から構成されます。ADEKAグループは、4つの安全にこだわり、グループ全体で効率的に業務を遂行するために、グローバルに情報共有を推進しています。2020年度の姿として、ADEKAグループの4つの安全(労働災害、環境事故、品質クレーム、設備重故障の同時ゼロ)に取り組んでいます。4つの安全は次の基本原理に基づいて推進され、PDCA(計画、実行、評価、改善)サイクルを用いた継続的な改善によりレベルの向上、達成を目指します。具体的には年度末実施の「4つの安全レビュー会議」にて、本部方針と具体的方策に基づいた各部署の計画が実行できているか評価し、次年度の方針と具体的方策を決定します。

1. | リーダーシップ |
2. | 法令・ルール遵守 |
3. | 5Sの推進 |
4. | コミュニケーション |
5. | ライフサイクルの分析・評価 |
6. | サプライチェーンの俯瞰 |
7. | 持続可能な社会形成への貢献 |
8. | 新規技術への挑戦 |
● | 4つの安全(労働・環境・品質・設備)をグローバルで推進し、4つのゼロを達成する。 |
● | 持続可能な社会の実現のためグローバル企業として社会貢献する。 |
2019年度は安全文化の醸成と安全基盤の強化を目的に4つの安全に関連する規程を1つに集約し、関わる基準・標準を一体とした規程体系に変更しました。2020年度は「4つの安全グローバル規程」を制定し、海外グループ会社への適用を図ります。
4つの安全のグローバル共有
4つの安全をグループ全社に啓発する活動を進めています。2019年12月3日から5日に「4つの安全グローバルミーティング」を初開催しました。海外生産会社14社の安全管理者が鹿島工場と本社に集まり、現場の安全対策や安全の考え方を情報共有しました。
また、4つの安全シンボルマークはグローバルに適用するために、デザイン・言語を更新し、ヘルメット用ステッカーとしてグループ全社員へ配布したほか、ポスター掲示、ADEKA社内ポータルサイトへの掲載などを通じて浸透を図りました。
4つの安全推進体制

環境・安全対策本部監査を毎年国内のすべての生産・研究事業所で実施するとともに、2019年度は海外グループ会社4社に対して実施しました。これにより各事業所での安全管理状況を把握し、安全文化の醸成を行っております。さらに品質安全では、PL監査を化学品と食品で同一のチェックシートで定量化する監査方式に改め、29部署で実施しました。
1.労働安全
保安防災
ADEKAグループ生産拠点は危険物や毒劇物を扱う工場であり、保安防災は最も重要な責務です。地域の皆様に信頼していただける企業を目指し、法令の遵守のみならず、徹底した工程管理と設備メンテナンス、様々な事象を想定したより実践的な防災訓練を定期的に行うなど、自主的な安全管理に取り組んでいます。
労働安全衛生
ADEKAグループは“安全は企業の最重要課題である”という認識を持ち、労働安全衛生マネジメントシステムISO45000への移行や事業所ごとの安全衛生委員会、ゼロ災委員会の活動を通じて、社員の安全意識を向上し、安全な職場づくりに努めています。また、労働災害を防止する取り組みとして、浦和開発研究所での安全体感研修(2019年度60名受講)に加え、富士工場内(静岡県)に安全体感センターを設置し、2021年度から運用開始予定です。
2.環境安全
地球温暖化への取り組み
● CO₂削減の取り組み
当社は、CO₂の排出削減に向けて製品の安定供給を維持しつつ、生産効率化などの改善を進めており、社長工場監査および環境・安全対策本部監査にて進捗を確認しています。
● 省エネルギー活動
2019年度は生産品種構成の変化、新規稼働の設備により工場のエネルギー使用量は増加しましたが、省エネ活動として1,406klのエネルギー(原油換算)を削減しました。
環境負荷低減
● 水質汚染防止
ADEKAグループは、循環型社会の構築に欠かせない水資源の保全・水質汚濁の防止のため、生産工程の排水を回収し循環的に利用しているほか、各法規制に基づき排水の環境負荷低減に取り組んでいます。
● 産業廃棄物処理の適正管理
当社および国内グループ会社において産業廃棄物処理委託業者の査察を定期的に行い、委託した産業廃棄物が適正に処理されていることを確認し、さらに会議等で、委託業者の査察を含めた各事業所の廃棄物管理状況をチェックしています。
● 大気汚染防止
当社グループは、生産部門や研究開発部門における環境保全対策として、大気汚染の防止に継続的に取り組み、SOx・NOx・ばいじんの大気中への排出抑制に努めています。
● 生物多様性保全への取り組み
ADEKAグループでは、「ADEKAグループ生物多様性方針」のもと、生物多様性の保全に向けた取り組みを推進しています。また、企業と生物多様性イニシアティブ(Japan Business Initiative for Biodiversity:JBIB)にネットワーク会員として参画しています。
3.品質安全
● 品質検査状況の再確認
ADEKAグループは、2017年度から引き続き2019年度も「品質管理に関する調査」を実施した結果、「検査を含む公的資格必要作業の無資格者による実施」および「検査データ等の意図的な改ざん」ともにないことを確認しました。
● 品質向上の取り組み推進
お客様に安心して製品を使用していただくため、国内外22の拠点で品質マネジメントシステムISO9001の認証を取得し、品質保証体制の維持・改善を継続的に行っています。さらに、食品生産拠点ではFSSC22000(7拠点)およびHACCP(3拠点)の認証を取得し、食品の安全管理・品質保証に努めています。
4.設備安全
ADEKAおよび国内グループでは設備重故障*を2018年12月より定義し、運用しております。以来、設備重故障は発生ゼロを継続しております。
*設備重故障の定義:1週間以上生産を停止した故障