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CSR

第三者意見

さらに上のCSRを目指して

郡 昭夫

高崎経済大学経済学部 教授水口 剛 経営学博士(明治大学)。専門は、責任投資、非財務情報開示。
1997年高崎経済大学経済学部講師、同准教授を経て、2008年より現職。 環境経済・政策学会監事・理事、環境省・グリーンボンドに関する検討会座長、ESG検討会委員などを歴任。著書に、『責任ある投資-資金の流れで未来を変える』(岩波書店)、『環境と金融・投資の潮流』(編著、中央経済社)などがある。

ニーズに応える研究開発の継続に期待

 これまでの100年、時代のニーズに応じた新素材・新製品の提供を通じて発展されてきたことに敬意を表します。

 本業を通じた社会への貢献は、CSRの基礎であると思います。また、本報告書冒頭のトップコミットメントの中で持続可能な開発目標(SDGs)に言及され、「企業は社会の公器であり、社会課題の解決のために、国際社会の一員としての責任を果たしていかなければなりません」として、「その責任を果たしていきます」と言明されていることに意を強くしました。その鍵となるのも、先進的な素材とソリューションの提供とのこと。本報告書でもいくつか研究開発の実績が報告されていますが、今後も引き続き成果が生み出されることを期待します。また、それによって実際に持続可能な社会にどれだけ近づくことができたのか、貢献度の大きさを「見える化」できるとより良いと思います。

世界のCSR動向を捉えチャレンジを

 一方、環境や社会の面でのリスク対策は十分でしょうか。たとえば食品事業の主たる原料の1つがパーム油ですが、パーム油はプランテーション目的での泥炭地での伐採などの森林破壊リスクや児童労働などの人権侵害リスクがあることが指摘されています。マレーシア現地法人のADEKA FOODS (ASIA) SDN. BHD. を通じて協力関係にあるIOI社は昨年、「持続可能なパーム油に関するラウンドテーブル(RSPO)」の認証を一時的に取り消されました。その後認証は復活しましたが、会社としてこのような問題をどう認識しているのか、また今後類似の問題が起きたときにどのような方針で臨むのかなど、会社としての姿勢を明確にすることが必要ではないでしょうか。

 また、パリ協定の合意を受けて世界は脱炭素化社会に向けて動き始めました。貴社が「次の100年」を考えるのであれば、今世紀後半には人為的な二酸化炭素の排出の実質ゼロを目指すという国際的な目標を念頭に置く必要があると思います。世界の先進企業はこの目標に貢献すべく、2℃目標と整合性のある目標を設定するという「科学的な根拠に基づく目標(Science Based Target: SBT)」や、自社で使う電力を100%再生可能エネルギーにすることを公約する「RE100」などのイニシアティブに参加しています。こういった面でも先進企業と歩調を合わせてチャレンジしていくことが、真のグローバル企業の証と言えるのではないでしょうか。

女性が活躍できる環境づくり

 開示された人事関連のデータを拝見しますと、男女間で平均年齢や勤続年数にほとんど差がないことに気づきます。これは、結婚や出産といった出来事が働き続けることの大きな障害になっていないということだと思いますので、女性にとっても働きやすい職場なのであろうと拝察します。この点、職場環境に関する取り組みの成果が実績として表れているものと評価します。ただ、勤続年数に差がない割には、会社全体での女性社員比率と女性管理職比率との間に差があることが気になりました。管理職になることがすべてではありませんから、この数値だけでは一概に何とも言えませんが、この差に合理的な理由があるのかどうかは会社として検討しておく必要があると思われます。

 以上のように環境・社会の課題は多岐にわたります。会社としての体制を整え、さらに進んだCSRへの取り組みを意識的に推進されることを期待しています。

第三者意見をいただいて

ADEKAグループのCSR活動に対して貴重なご意見を賜り、感謝申し上げます。社会的課題の解決に向けさまざまな分野で寄与する当社の研究開発について期待を寄せていただき、大変光栄に思います。
「世界のCSR動向への対応」ですが、当社では、環境破壊や人権侵害が問題となっているパーム油について、RSPO加盟手続きなど認証取得に向けた取り組みを始めています。また、脱炭素化社会に向けた取り組みについては、Scope 3の算出をスタートしたものの、パリ協定での目標を達成するために当社が貢献できることはたくさんあり、課題であると感じています。イニシアチブの賛同やフレームワークの対応検討はもちろんのこと、まず自社でCSRを「見える化」し、PDCAを回していくシステムの構築に取り組んでいきます。
今後もステークホルダーの期待に応えるべく、また持続可能な社会を目指す世界の動きに協調しながら、人々の豊かなくらしに貢献する企業を目指してまいります。

取締役執行役員田島 興司

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