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樹脂添加剤の基礎知識

樹脂添加剤とは

私たちの社会においては、自動車のバンパーや内装材、テレビや携帯電話などの家電製品、食品用容器・包装材料など、生活資材、工業用資材として多くのプラスチックが開発・使用されています。

用途イメージ
太陽光による劣化

それぞれのプラスチックが実用化されるほとんどの場合に、多種類の樹脂添加剤が少量ずつ配合されており、プラスチック製品の機能を維持したり、新たな機能を付与したりすることに貢献しています。
プラスチックは元来、熱や光に対する安定性が充分でないため、成形加工段階や使用時に加わる熱、日光に含まれる紫外線などによって容易に酸化、劣化してしまいます。結果、高分子材料が本来持つ特性が損なわれてしまい、良質な製品が得られないことになります。例えば、自動車の内装材のように使用環境が高温であったり、太陽光にさらされたりする場合は、使用中短期間に劣化が進み、変色や物性低下を起こして、プラスチック製品として必要な耐久性を損なうことがあります。

これらの劣化の抑制は、プラスチック自体を改良するよりも、少量の安定剤を添加する方が効果的かつ経済的です。実際、多くの安定剤が開発されプラスチックの種類や用途に応じて選定・配合されて、プラスチックの実用化に貢献しています。
例えば、自動車や家電、日用品に幅広く使用されているポリプロピレンを、酸化防止剤の配合なしで150℃のオーブンの中で保持すると、24時間で酸化され劣化してしまうのに対し、酸化防止剤を0.4%配合した場合では、その寿命は劇的に改善され、2,000時間以上劣化せずにポリプロピレンが本来持つ物性や特性を維持することができます。

このように、酸化防止剤に代表される高分子用安定剤は、少量の添加で驚くほどプラスチックの寿命を延ばし、プラスチックの実用上、不可欠な材料となっています。

アデカスタブ イメージ

一方、プラスチックの使用範囲を拡大するには、プラスチックが本来保有する特性だけでは様々な用途に対応するには不十分な場合が多くあります。機能付与型の添加剤は、高分子の分子設計や重合条件を変更することなく、プラスチックに適量配合するだけで、不足する機能を付与することができます。これによってプラスチック材料の適用範囲を広げることが可能で、プラスチック製品の用途拡大に貢献しています。
例えば、ポリプロピレンは半透明ですが、0.2%の透明化剤を配合すると、右の写真に示すように透明性は驚くほど向上します。
この他にも、元々燃えやすいプラスチックを燃えにくくする難燃剤、柔軟性を付与する可塑剤、静電気の帯電による弊害を除去する帯電防止剤をはじめ、核剤、透明化剤など多くの機能付与型添加剤が開発されています。

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