次世代リチウム-硫黄二次電池搭載の小型ドローンで飛行を実証
∼ADEKAのSPANと本荘ケミカルのリチウムフォイルを使用した二次電池を試作・搭載∼
2026年04月24日
ADEKAと本荘ケミカル株式会社(以下、本荘ケミカル)は、両社材料を使用した次世代リチウム-硫黄二次電池(Li–SPAN電池)試作品を搭載した小型ドローンの飛行試験を行い、市販電池を搭載した場合の2倍となる連続飛行19分48秒を実証しました。
今回試作したLi–SPAN電池は軽量性と急速放電性能を兼ね備えています。本実証は、リチウム-硫黄二次電池の弱点であるパワー不足を解消した"ハイパワーで軽い"Li–SPAN電池の社会実装とドローンなど飛行体への搭載に期待がかかる結果です。
現在は、本試作品の飛行体用途を想定した充放電サイクル試験を実施しており、10サイクルをクリアし試験を継続しています。また別途、様々なLi–SPAN電池セルの優れた発火安全性については、General Motors Companyや国立研究開発法人産業技術総合研究所などとの連名で成果発表をしています(2025年11月11日付 当社What's New)。
ADEKAは、SPANの開発を通じて、軽量・ハイパワー・安全な次世代二次電池の社会実装の早期化を目指し、企業や研究機関・大学との連携と協業を進めてまいります。
LiーSPAN電池試作品を搭載した小型ドローンのテスト飛行の様子
実証の概要
次世代リチウム-硫黄二次電池試作品について
仕様 |
Li–SPAN電池(6S1Pパック、2 Ah、10 V)
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主な材料 |
正極活物質:ADEKA開発品|次世代二次電池向け硫黄系正極材料「SPAN」(アデカアメランサ® SAM-101)
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電池設計/組み立て |
電池設計:ADEKA、協力会社
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ドローン飛行試験等について
使用機器 |
空撮向け産業用マイクロドローン(ホイールベース:95 mm、約100 g) |
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環境 |
屋内(無風、室温環境)で実施 |
飛行時間 |
・Li–SPAN電池:19分48秒
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充放電サイクル試験 |
0.3C充電/3C放電の条件で10サイクルを記録、試験継続中
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(画像左上)Li–SPAN電池、(右上)LiーSPAN電池(92g)と市販電池(92g)、ドローン、(左下)LiーSPAN電池を搭載したドローン、(右下)ドローン飛行試験
左から:ADEKA 撹上健二(電池材料開発研究所 電池材料評価室長)、矢野亨(電池材料開発研究所長)、藤澤茂樹(常務執行役員 環境材料本部長)、本荘ケミカル 川北昌隆様(取締役 研究・技術開発部長)、岡﨑健児様(生産本部長)、田村賢一様(第三営業部長)
参考:SPANに関する査読付き論文
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<群馬大学との連名>
- Ultra-lightweight rechargeable battery with enhanced gravimetric energy densities >750 Wh/kg−1 in lithium-sulfur pouch cell: Communications Engineering, 3, 177 (2024) <うるたま株式会社、ソフトバンク株式会社、KISCO株式会社、産業技術総合研究所、ATTACCATO合同会社との連名>
- Lithium-Sulfur Rechargeable Battery Cells with SPAN/Resin Film Cathodes for Lightweight and Safety: Electrochemistry, 93, 063023 (2025) <大阪公立大学との連名>
- Understanding capacity degradation in sulfurized polyacrylonitrile (SPAN) electrodes insights from transmission electron microscopy: Journal of the Ceramic Society of Japan, 133, 765 (2025)
