ADEKAの技術とイノベーション創出
研究開発ビジョン:『人類の未来を“素財”の力で拓く』
私たちが作る素材の「材」は、材料の「材」ではなく、財産の「財」であると考えています。今ある素材にさらなる機能性や耐久性、環境性能をプラスすることにより、素材の価値を「素財」に高めて世界に提供し続けることで、持続可能な社会や豊かな人々のくらしに貢献する。そのためには、当社が100年以上の歴史のなかで築き上げてきた基盤技術を深化・融合させ、社内外連携によるイノベーション創出が欠かせません。
世界中の人々に快適・便利で豊かなくらしを提供するAIV(ADEKA Innovative Value)製品や、地球環境の保護に貢献する環境貢献製品を数多く創出していくことで、研究開発の将来ビジョン「人類の未来を“素財”の力で拓く」ことの実現を目指します。

分析・評価技術の強化

「分析技術」や「評価技術」は、新製品開発におけるコア技術として位置付けております。お客様のニーズに合った新製品をタイムリーに提供するため、お客様の使用環境の再現が可能な「評価技術」や「分析技術」の構築に努めており、お客様目線での議論やソリューション提案により、きめ細かな技術フォローを実現し、お客様の信頼向上を目指します。また、最先端の分析技術の開発にも注力しており、これまで解明できなかった事象についても、原因究明が可能な環境の構築を目指しております。
社内外連携とオープンイノベーションの推進

市場環境の変化やユーザーニーズを鋭敏に捉えて、タイムリーな製品開発を推進するため、グループ会社との共同や社内連携を進めています。業界や技術のテーマにフォーカスした「テーマ別討論会」や、若手研究員同士の交流や部署間連携による研究開発の活性化を狙った「若手の会」の推進など、研究所横断の技術交流を活性化させるための取り組みを進めています。
また、国内外の大学・研究機関、企業との交流や共同研究を積極的に進め、オープンイノベーションにより新規事業創出のスピードアップを図ります。各コンソーシアムの参画や、サプライチェーン上の企業間交流、同業他社との課題共有など、情報収集も含めた社外連携の取り組みも積極的に行っています。
許認可情報のグローバル管理と活用

各国法規制の強化に伴い、新製品開発における各国法規制の動向や化学物質の安全性に関する情報が重要な役割を果たします。国内外の法規制情報の収集力と解析力を強化し、新製品開発での利活用環境の強化を進めています。
知財戦略

IP(Intellectual Property)ランドスケープを強化しました。IPランドスケープによる知財情報、技術動向および市場情報を取り込んだ解析により、研究テーマ選定、新規事業創出、価値共創を推進しています。創出された発明については、創成期から製品化に至る流れのなかで、発明を発掘、深耕し、出口を見据えた継続的多角的な特許出願と特許取得を行い、価値共創に資する特許ポートフォリオの形成を行っています。
新規事業創出と新規技術開発

コーポレート研究所の役割を担う先進技術開発部は、社外協業の技術開発の窓口となり、今後の事業拡大に必要な新しい技術の構想・具現化について検討を進めております。特に、温室効果ガスの削減やカーボンニュートラルの実現に向けて、CO2利活用技術や、GHG 排出量の少ない高効率な反応技術、天然資源の利活用技術の調査・検証など、 グリーントランスフォーメーション(GX)に関する技術開発を行っています。また、新規事業創出に向けて、脱細胞化再生医療材料の研究開発や、日本農薬株式会社との協業による動物薬の開発を推進しています。