



ADEKAは、国際社会の一員として、地球環境問題を真摯に受けとめ、持続性のある豊かな社会、次世代への地球環境の継承を目指しています。こうしたビジョンのもと、メーカーの生命線でもある研究開発部門では、「環境汚染物質を作らない、使用しない、排出しない」を基本思想に新製品開発を進めているほか、従来製品の中で環境負荷が懸念される製品については、代替品や各種低減策を講じています。
環境対応技術としては、地球温暖化抑制、ダイオキシン低減、VOC低減、環境ホルモン対応などがあります。そのなかで現在、勢いのある4つの製品をピックアップし、どのような考えと姿勢をもって、環境に配慮した技術と製品が生まれているかをお伝えします。
潤滑油添加剤「アデカサクラルーブ」は、国内だけでなく、アメリカを筆頭に、ヨーロッパ、韓国、中国、シンガポール、タイ等20ヵ国あまりに輸出しており、その出荷比率は国内を上回るほど。省燃費効果、CO2排出削減効果など、世界的な需要の高まりに応え、既存の設備から、さらに2倍の増強も視野に入れています。
「アデカサクラルーブ」は、「有機モリブデン系潤滑油添加剤」と呼ばれるADEKA独自の技術で開発した添加剤。車のエンジンオイルに添加することでエンジン内部の摩擦や摩耗を低減し、省燃費・CO2の低排出化を実現します。また、酸化防止によるエンジンオイルの長寿命化、摩耗防止による機械寿命の延長などのメリットも有します。なかでも燃費の改善から派生するCO2排出量の削減効果は、石油業界、自動車業界から注目されており、グラフのように優れた効果を発揮します。
同製品の開発が進められたのは、1976年の東京工業大学桜井俊男教授との共同研究がはじまり。3年後の1979年に販売を開始し、1995年にはその優秀性が認められ、石油学会賞を受賞するまでに至りました。近年、日米自動車業界のエンジンオイルに対する要求はますます厳しくなっており、環境対応のために「アデカサクラルーブ」の果たす役割は極めて大きいと世界市場からも期待されています。
「アデカサクラルーブ」は、有機モリブデン系潤滑油添加剤で世界シェアNo.1です。
新車の場合、カタログに掲載される燃費の数値は、消費者の購入時の指標のひとつであり、車の売れ行きを左右することにもなります。同製品が活躍する場面で最も多いのが日本の新車の出荷時。エンジンオイルに添加されます。
「アデカサクラルーブ」を添加すると、燃費改善率の平均はおよそ1.76%のアップ。わずか1.76%とも思われますが、現在90%以上の新車に添加されるほど、その性能に対する評価は高く、需要は大きいのです。最終的には環境への負荷を減らすことで、皆様から認められた製品だと自信をもってご提供しています。現在、欧米諸国への出荷比率がトップ。数年前からは中国、インド、インドネシアなどアジア諸国の需要も増加中。今後は、トラックなど未開拓分野への提案とともに、さらなる研究開発に邁進していきます。
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発売以降、伸び悩む時期もあれば、ぐーんと伸びる時期もありました。サクラルーブ専用の相馬工場に移転後の6〜7年は苦しみましたが、2001年から順調に稼動し、さらに2004年のILSACGF-4(エンジンオイルに関する規格)の認定後は海外向けの需要が増え、販売量が1.5倍に拡大し順調に伸び始めてきました。
潤滑油業界は、省燃費規制、排ガス規制等が課題となります。カーメーカーや石油メーカー、私たち化学品メーカーがその研究開発を進めており、CO2削減、地球環境保護対策についてもこの仕事を通じ、身に染みており、グループ一丸となって貢献していきたいと考えております。


液体の状態から固めて成型する樹脂。固める方法としては、200℃程度の高熱を加えることが一般的です。一方、熱に対し、光(紫外線)を照射することで固める樹脂、これが光硬化樹脂です。生産効率向上といった利点はもちろん、環境面にも大きく貢献する技術です。
光硬化樹脂は、熱硬化に比べ硬化時間を大幅に短縮でき、生産効率の向上が図れます。硬化のための装置の設置スペースも少なくてすみます。また、低い温度で硬化できるので、熱に弱い材料(基材)にも使用できます。これらのメリットに加え、熱硬化に比べると、硬化に必要なエネルギー的負荷が非常に低く、CO2の発生を削減できます。有機溶剤を使用していないため、環境面や衛生面など快適な作業環境づくりにも貢献します。

さらにADEKAでは、光硬化の技術だけでなく、原料も環境対応製品を開発。光硬化を促すための原料である開始剤は、従来、高感度の硬化性と時間経過への安定性があるアンチモンという成分が利用されていましたが、その毒性、発がん性の恐れが懸念されていました。「アデカオプトマーSP-300」は、アンチモンを使用せず、従来と同等の効果を発揮する開始剤です。
ADEKAの光硬化樹脂は、主に液晶テレビやプラズマテレビ等のディスプレイに使用されるフィルムのハードコート(表面高硬度付与)や接着、光学部材形成に利用されています。そのほかIDカードへのハードコートやカメラのレンズ、電子部品の接着にも適し、今後も幅広い分野への展開が期待できます。
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光硬化樹脂は、既製品で対応できるケースは少なく、お客様のニーズにあわせたカスタマイズが必要です。どんな素材をどのように組み合わせていくか日々格闘していますがADEKAの持つ技術と豊富な製品のバリエーションで、多種多様なご要望にお応えしています。
今後、熱硬化から光硬化樹脂へという動きはさらに増していくと思われます。そのなかで、光硬化という技術だけでなく、原料に関してもさらなる環境対応製品を追求しています。環境、そして社会に対していかに貢献できるかをいつも考え、新たな提案を続けていきたいです。


塩化ビニル樹脂には、成型・使用時に樹脂の劣化を抑制するために安定剤が必須となります。 現在、窓枠などの硬質や電線には安定剤として鉛化合物が多く使用されていますが、ADEKAは鉛化合物を使用しない安定剤の開発を推進しています。
パイプや窓枠などの硬質製品から電線やラッピングフィルムなどの軟質製品までさまざまな用途に活用される塩化ビニル樹脂(塩ビ)。この塩ビ製品に成型安定性と耐久性を与えるのが安定剤です。安定剤の主成分は金属塩で、塩ビの用途により使い分けられます。
パイプや窓枠のような硬質や電線被覆材などには有害重金属に分類される鉛化合物が長年使用されてきました。しかし、人体への影響や環境汚染への懸念から、鉛化合物の忌避は世界的な流れとなっています。
ADEKAでは、鉛化合物代替のため、環境にやさしい電線被覆用安定剤を世界に先駆けて開発し、自動車電線では環境対応安定剤がトップシェアにあります。家電、通信向けの電線や、窓枠などの硬質向け安定剤でも貢献しています。
今後、世界の塩ビの需要は、中国にインドを加えたアジアを中心に大きく伸びると予想されます。これにあわせて環境対応型安定剤も拡大が必須です。ADEKAの持つ技術とグローバルネットワークを活かして、世界市場で環境対応に貢献します。


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塩ビ用安定剤として長い歴史を持つ鉛系安定剤は元来優れた安定化機能を持ちます。これに対して、環境対応型安定剤は種々の原材料の複合化技術を駆使し、鉛系安定剤と同等の性能を発現させています。複合化技術が最も難しく、ここにADEKAの技術が活かせます。加えて、耐久性、耐熱性など高いレベルの要求に応えるために、新たな原材料探索についても研究を深化させ、乗り越えていきたいと考えます。

塗料や接着剤、コーティング剤、保護膜、各種プラスチックの密着・・・。エポキシ樹脂やウレタン樹脂は、さまざまな場面で活躍しています。従来は耐久性や経済性から有機溶剤が使われていましたが、大気汚染や健康被害が表面化。ADEKAでは、環境と人体に配慮した「水系樹脂」の開発に取り組みました。
「プラスチックのような性質の物質を、水に分散させた樹脂」。一言でいえばこれが「水系樹脂」です。特長は、非危険物であること。そして、独自の技術により、水を揮発させるだけで樹脂(ポリマー)ならではの機能を備えていることです。従来の有機溶剤を使用した樹脂の性能を保持しつつ、防錆性、柔軟性、耐候性も向上させた、地球( 大気を汚染しない)と人体( シックハウス症候群策)にやさしい樹脂として、注目されています。
技術面では、水に樹脂を均一に分散させることが難しく、ADEKAでは長年培った多種多様な技術のノウハウを結集し、配合方法、温度、撹絆状態などの観点から最適な条件を見つけだし、研究開発を進め、製品化しました。現在はVOC* 対策品、環境対応製品として幅広い分野への展開が始まっています。 現在は有機溶剤系樹脂の代替品という認識が強く、市場シェアは全体の1割程度にとどまっています。それでも地球環境と人体への配慮を第一に、ADEKAでは今後も水系樹脂の生産技術を高め、販路拡大とともに主流化していくことを希求しています。*VOC:揮発性有機化合物
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一般的に化学品はフラスコ合成から中実験スケール、現場(工場)スケールという流れがあります。今回は各スケールごとの相関関係を確認しながら、水に分散させる技術の確立に苦労しましたが、安定生産への流れができあがり、今は私たちの技術力・生産力が製品を通じ、広がっていければ幸いです。
「4つの安全」(品質安全・環境安全・労働安全・設備安全)は、常に念頭に置いています。これらをクリアすることが、みんなのCSRではないでしょうか。
